お家騒動と訴訟リスク

お家騒動って?

お家騒動とは、本来は江戸時代の大名家における家督争いなどによる内紛のこと。日本の3大お家騒動として「加賀騒動」、「黒田騒動」、「伊達騒動」があります。加賀騒動では、先代の藩主吉徳から寵愛を受けていた大槻伝蔵が吉徳の側室真如院と不義密通し、真如院の子を藩主にさせようと画策、現藩主の毒殺を図ったが失敗、それにより旧吉徳勢力が大粛清されるという事態がおこっています。

中小企業に多いお家騒動。

現在も週刊誌にお家騒動という言葉はよく使われています。特にお家騒動は先代の社長の死後に発生することが多く、それゆえ相続は争族とも揶揄されるぐらいです。例えば、京都老舗の職人用のかばん屋さんのケースでは、誰を後継者にするかは遺言状により当時社長であった3男となっていましたが、その後遺言状が新たに発見されます。それによると、会社の後継者は銀行員であった長男ということに。新たに発見された遺言状に疑問を感じた3男は遺言の無効を求め提訴しますが裁判に負け、その結果社長だった3男は会社を解雇されます。

問題は誰が株式を持つか。

上記のかばん屋さんのケースでは、遺言状で誰にどれだけのかばん屋の株式を相続させるかが問題となりました。当初の遺言状では、株式の67%を三男夫妻に、33%を四男に、銀行預金のほとんどは長男に相続とされていましたが、新たに発見された遺言状では株式80%を長男に、20%を四男にというものでした。これにより、大多数の株式=実権を握った長男が3男を追い出すことができたのです。

会社は誰のもの?株式数でできること。

会社の株式を持っている割合によって、掌握できる権力が違います。会社の実権を握るためには、少なくとも50%超の株式を保有しておいた方がいいでしょう。例えば、他人に出資を求める場合、50%超の株式出資を受けた時点であなたは雇われ社長。いつでも首を切ることができるまな板の鯉です。

発行済株式の1/2超を保有 会社の経営権獲得(株主総会での取締役・監査役の選任・解任・報酬額決定・計算書類の承認など)

お家騒動と株主代表訴訟のリスク

株主代表訴訟については、株式の保有数については制限はありません。したがって非上場会社の株主であれば、株式1株でも有していれば株主代表訴訟をすることができます。中小企業では株主代表訴訟といえば会社の内紛の傾向が強く、背任などの会社経営上の違法な行為(社長の公私混同による使い込みなど)に対して、身内の親族から提訴される場合があります。この場合には、違法な行為をする方が悪いのですが。。なお、株主代表訴訟は株主に対して損害賠償金を支払うものではなく、会社に対し損害賠償を支払うことになります。

お家騒動と密告のリスク

脱税の摘発は密告によるものも多く、身内のお家騒動から会社の内部情報が税務当局にリークされ、脱税調査に着手されることもあります。
実際に脱税をしているのならば言語道断ですが、嘘の密告をされる場合もあり、最悪身の覚えがないのに脱税犯扱いされるケースもあります。

老舗鞄屋のその後。

その後、追い出された3男の妻が起こした訴訟で遺言書が無効となり、その結果3男の解任も無効。追い出された会社の経営に復帰しました。
後から出てきた遺言状は実は偽物だったのでしょうか?一応、遺産をめぐる兄弟間の裁判争いは終結したようにみえましたが。。
現在、第2の遺書が偽物とした最高裁の判決を不服として起こされた高裁の裁判(平成24年11月9日大阪高裁判決)では、長男に80%の株式を相続させるとする遺書が、「偽造によるものであると認めることはできない」との判決が下されています。どうやらお家騒動は現在進行中のようです。。

お金は無いよりあった方が良いのですが。。

お金は幸せと一緒にトラブルも引き寄せてしまいます。もし商売が軌道に乗って次世代にその商売を引き継がせようと考えている場合には、特に注意が必要。一手でも間違えると幸せであった家族は崩壊し、下手すると会社自体潰れてしまうかもしれません。皆が納得できる後継者指名を生前にしなければ、後に残るのは身内間の骨肉の争い。考えるだけで、ぞっとしますね。相続対策で株式を分散させる手法もありますが、慎重にならざるを得ませんね。

結論は?

生きている内に相続対策と事業承継をしてしまう。多少お金がかかっても、自分の死により一家離散させるよりましなのです。

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