年金生活者は確定申告が必要?

年金生活者の申告不要制度

平成24年度から、年金受給者が確定申告をしなくてもよくなりました。公的年金の収入金額が400万円以下で、公的年金以外の所得金額が20万円以下である場合には確定申告は必要ありません。
しかし、公的年金の収入金額が一定の場合には、所得税などが源泉徴収されています。

確定申告をした方がいいケース

公的年金については、所得税などが源泉徴収されますが、その源泉税率は次のようになっています。

扶養親族等申告書の提出あり:5.105%
扶養親族等申告書の提出無し:10.21%
(実際は一定の控除額があるので上記よ低くなります。)

扶養親族等申告書の提出がない場合で400万円の年金収入のみとした場合の源泉徴収税額と確定申告した場合の納税額を比較してみました。(社会保険料は無視しています。)

◇扶養親族等申告書の提出無しのケース

源泉徴収税額 所得税額
数式 4000000×75%×10.21%=306300 ❶ (4000000×75%-375000)-380000=2245000
❷ ❶×10%-97500=127000
❸ ❷×102.1%=129667→129600
税額                   306,300                                 129,600

したがって、申告不要の上限400万円の所得税額<源泉徴収税額のため、扶養親族等申告書の提出無しの場合で源泉徴収されている場合には、確定申告をした方が有利です。

◇扶養親族等申告書の提出ありのケース

扶養親族等申告書を提出している場合には、公的年金等控除額や基礎控除など次の控除が適用されます。

控除 月割控除額(1か月分)
公的年金等控除 年金支払額(1か月分)×25%+65000
基礎控除
配偶者控除 32,500
配偶者控除(老人) 40,000
扶養控除 32,500
扶養控除(特定) 52,500
扶養控除(老人) 40,000
障害者 22,500
障害者(特別) 35,000
障害者(同居特別) 62,500
寡婦・寡夫 22,500
寡婦(特別) 30,000

これらの控除以外の次の控除の適用を受けたい場合には、確定申告書を提出しなければいけません。
・追加の社会保険料控除、生命保険料控除
・災害による損失についての雑損控除
・医療費控除
・扶養親族等申告書を提出した後において扶養親族等が増加した場合

年金受給者と住民税の関係

確定申告をする年金受給者は、その確定申告のデータが市町村にも伝わるため特に何もする必要はありません。確定申告をしなかった年金受給者は、年金の支払者から市へ提出された年金支払報告書の内容で課税されます。

住民税の計算

住民税は所得の多少にかかわらず支払う必要のある均等割と所得金額に税率を掛ける所得割があります。富山の場合には次のように住民税が課税されます。

項目 均等割 所得割
市民税 3,500 6%
県民税 2,000 4%

住民税の所得控除

住民税の所得控除を所得税と比較すると次のようになります。

控除名 住民税 所得税
社会保険料控除 その年の支払額 その年の支払額
医療費控除 その年の支払額△10万円 その年の支払額△10万円
生命保険料控除 最大7万円 最大12万円
地震保険料控除 最大2万5000円 最大5万円
配偶者控除 33万円 38万円
配偶者特別控除 最大33万円 最大38万円
扶養控除(一般) 33万円 38万円
扶養控除(特定) 45万円 63万円
扶養控除(同居老親) 45万円 58万円
寡婦控除 26万円 27万円
特定寡婦控除 30万円 35万円
寡夫控除 26万円 27万円
基礎控除 33万円 38万円

年金の申告不要制度と住民税

年金収入が400万円以下で源泉税もゼロの場合には確定申告しなければ、所得税はゼロです。しかし、住民税の所得割が発生する場合があります。このような場合には、
❶ 災害などによる雑損控除
❶ 源泉徴収以外で支払った場合の社会保険料控除
❷ 医療費控除
❸ 保険料控除
を追加で申告すれば住民税の所得割が少なくなります。

住民税のみ申告した方が有利な場合

ところが、住民税所得割を減らそうとして確定申告したら所得税が計算される場合があります。申告不要制度を利用すれば所得税はゼロで済むのですが。。
このような場合には、住民税の申告だけすれば所得税は納付しなくて済みます。所得税は申告せずに住民税だけ申告する。。これもまた面倒な話ですが。。

とりあえず住民税の納付書がきてから判断してみる?

年金の源泉税がゼロで申告不要制度を利用した場合ですが、住民税の納付書を見てみましょう。もし、所得割を納付することになっていたら追加の所得控除を含めた住民税の申告書を遅れてもいいので提出してみましょう。高齢者は医療費が多い傾向がありますので、医療費控除でもとれれば住民税の所得割が戻ってきますよ。

高齢者には結構大変な作業

富山市だとCICの無料相談会に多くの高齢者の方がこられます。しかし、実際いろいろとアドバイスするのですがご理解されているのか不安になることも多いです。もし、おじいちゃん・おばあちゃんが1人で確定申告をしにCICへ行くといっていたら、できる限りついていってあげて下さい。税理士が待機するテーブルでは、納税額が最小になるよう知恵を絞って対応しています。

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