物納で土地を処分したい!

相続時に売れない不動産を処分したい

最近問題となっているのが空き家。富山では家を持って一人前という風潮があり、社会人になって結婚、出産、家を新築。。と素敵な人生設計が最も支持されています。したがって、中古住宅は売れずに何年も人が住んでいないので荒れ放題。なんで空き家の固定資産税を毎年払わなくちゃダメなんだ。。と大家さんも嘆いています。田舎にある土地など、もう売れません。。
それなら、売れない土地を相続税の支払いにあてたいな。。なんて思うのも当然です。

物納のハードルは結構高い!?

自由に物納を認めたらどうなるか。たぶん、地方の田舎は国有地ばかりになるでしょう。でも現実ではそんなことは起こっていません。つまり、物納にはクリアしなければいけない要件があるのです。
物納が認められるには、以下の要件のすべてを満たす必要があります。
❶延納によっても金銭で納付することを困難とする事由があり、かつ、その納付を困難とする金額を限度としていること。
❷物納申請財産は、納付すべき相続税の課税価格計算の基礎となった相続財産のうち、定められた財産及び順位で、その所在が日本国内にあること。
❸物納に充てることができる財産は、管理処分不適格財産に該当しないものであること及び物納劣後財産に該当する場合には、他に物納に充てるべき適当な財産がないこと。
❹物納しようとする相続税の納期限又は納付すべき日(物納申請期限)までに、物納申請書に物納手続関係書類を添付して税務署長に提出すること。

物納財産の順位

物納に充てることのできる財産は、次の財産かつ次の優先順位で、その所在が日本国内にあるものに限ります。

順位 財産の種類
第1順位 ①国債、地方債、不動産、船舶
②不動産のうち物納劣後財産に該当するもの
第2順位 ③社債(特別の法律により法人の発行する債券を含み、短期社債等は除く。)、株式(特別の法律により法人の発行する債券及び社債証券
を含む)、証券投資信託又は貸付信託の受益証券
④株式(特別の法律により法人の発行する出資証券を含む。)
のうち物納劣後財産に該当するもの
第3順位 ⑤動産

物納できる財産は、相続により取得した財産も含みます。ただし、相続時精算課税による贈与によって取得した財産は物納できません。

物納できない財産(管理処分不適格財産)とは

国による管理や処分が困難であるため物納に充てることができない財産を管理処分不適格財産といい、次に掲げる財産は物納に充てることができません。

不動産 抵当権などが設定されている不動産
権利の帰属について争いのある不動産
境界が明らかでない土地
隣接すつ不動産の所有者等との争訟によらなければ通常の使用ができないと見込まれる不動産
他の土地に囲まれた土地で公道に至るための通行権の明らかでないもの
借地権の目的となっている土地で、借地権者が不明である土地
他の不動産と社会通念上一体として利用されている不動産若しくは利用されるべき不動産又は2以上の者の共有に属する不動産
耐用年数を経過している建物(通常の使用ができるものを除く)
敷金債務その他の債務を国が負担することとなる不動産
その管理又は処分を行うために要する費用の額が収納価額に比し過大になると見込まれる不動産
公序良俗違反の目的に使用されている不動産その他社会通念上適切でないと認められる目的に使用される不動産
引き渡しに際して通常必要とされる行為がなされていない不動産
株式 その譲渡に関して金融商品取引法その他の法令の規定により一定の手続きが定められ地いる株式で、その手続きが取られていないもの
譲渡制限株式
質権その他の担保権の目的となっている株式
権利の帰属について争いがある株式
2以上の者との共有に属する株式(共有者の全員がその株式について物納の許可を申請する場合を除く)
その他 その財産の性質が上記に定める財産に準ずる財産として税務署長が認めるもの

物納できる不動産にも順位が。。物納劣後財産

不動産による物納が可能となった場合でも不動産内でまた優先順位があり、次に掲げるような財産は、他に物納に充てるべき適当な財産がないと認められる場合に限り、物納に充てることができます。

➀地上権、永小作権若しくは耕作を目的とする賃借権、地役権又は入会権が設定されている土地
➁法令の規定に違反して建築された建物及びその敷地
➂土地区画整理法による土地区画整理事業等の施行に係る土地につき仮換地又は一時利用地の指定がされていない土地(その指定後において使用又は収益を得ることができない土地を含む)
➃現に納税義務者の居住の用又は事業の用に供されている建物及びその敷地(納税義務者がその建物及び敷地について物納の許可を申請する場合を除く)
➄劇場、工場、浴場その他の維持又は管理に特殊技能を要する建物及びこれらの敷地
➅建築基準法第43条第1項に規定する道路に2メートル以上接していない土地
➆都市計画法の規定による都道府県知事の許可を受けなければならない開発行為をする場合において、その開発行為が開発許可の基準に適合しないときにおけるその開発行為に係る土地
➇都市計画法に規定する市街化区域以外の区域にある土地(宅地として造成することができるものを除く)
➈農業振興地域の整備に関する法律の農業振興地域整備計画において農用地区域として定められた区域内の土地
➉森林法の規定により保安林として指定された区域内の土地
⑪法令の規定により建物の建築をすることができない土地(建物の建築をすることができる面積が著しく狭くなる土地を含む)
⑫過去に生じた事件又は事故その他の事情により、正常な取引が行われないおそれがある不動産及びこれに隣接する不動産

売れない土地がある場合には。。

なかなか市場で売れない土地を物納できるかというと、上記の要件のすべてをクリアしないといけません。いわゆる事故物件についても、明確に物納劣後財産に該当するとされています。かなり物納は要件が厳しいため、生前からの周到な計画が必要でしょう。

近年の物納状況の推移

国税庁ホームページに公表されている相続税の物納処理状況等よると、物納による申請は平成6年をピークに下がり続け、ここ数年は過去最低となっています。特に近年では、平成18年の税制改正により物納不適格財産が明確化されたことの影響が大きいようです。

区分 年度 申請 処理 処理未済
許可 取下げ等 却下 小計
件数 3 3,871 532 534 7 1,073 3,973
4 12,778 2,113 1,131 9 3,253 13,498
5 10,446 6,684 3,642 3 10,329 13,615
6 内 7,268
16,066
8,749 3,788 28 12,565 17,116
7 8,488 9,185 2,905 22 12,112 13,492
8 6,841 6,240 2,723 34 8,997 11,336
9 6,258 4,973 2,118 29 7,120 10,474
10 7,076 4,546 1,832 20 6,398 11,152
11 7,075 4,713 2,044 28 6,785 11,442
12 6,100 4,556 1,939 37 6,532 11,010
13 5,753 4,844 1,698 27 6,569 10,194
14 5,708 4,479 1,690 31 6,200 9,702
15 4,775 4,545 1,687 28 6,260 8,217
16 3,065 3,639 1,651 24 5,314 5,968
17 1,733 2,730 1,169 21 3,920 3,781
18 1,036 2,094 861 16 2,971 1,846
19 383 1,114 234 22 1,370 859
20 698 704 149 27 880 677
21 727 711 149 54 914 490
22 448 503 103 46 652 286
23 364 317 98 27 442 208
24 209 205 55 45 305 112
25 167 132 38 29 199 80

物納対策は、相続開始前に終了させる必要が。

物納の申請期限は、物納しようとする相続税の納期限又は納付すべき日まで、すなわち、死亡を知った日の翌日から10ヵ月までです。その後税務署は3ヵ月で物納の許可または却下を判断します。当然、物納申請の際に必要書類等が揃っていないと申請することができません。お亡くなりになってから、遺産分割をしてさらに物納の申請も。。というのはあらゆるリスクが高まります。納税資金を念出するために先祖代々の土地を格安で手放すことになりかねません。

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