租税条約は, 海外に支店や子会社がある場合, 又はこれらが無くても長期間のスーパーバイズを現地で行う場合などに注意しなければいけません。例えば配当金やロイヤリティー等の源泉税率について, 租税条約は原則国内法より優先されることから, 租税条約で定める税率を使用することが有利となります。海外配当金益金不算入が導入されたことによって, 配当源泉税が損金不算入となっていますし。。

一方, ロイヤリティー等については, 外国税額控除によって2重課税が排除されていますが, 租税条約で定めている源泉税率以上の税率で控除することはできません。したがって, 租税条約で10%であるところを国内法の20%を適用した場合には, 外国税額控除で控除できる金額は租税条約で定める10%のみとなります。また, 中国などにおいては+アルファで外国税額控除が取れる制度(タックススペアリングクレジット)がまだ適用可能であるため, この恩典を受けるためにも, 租税条約の確認は必要不可欠です。スーパーバイズについても, 例えばインドネシアでは, 日本の居住者証明を現地の税務当局に提出すれば源泉税はかかりませんし。。

ただし, 租税条約で源泉税率を定めているのに, 国内法では源泉税がゼロの場合(例えば,ブラジルなど)には, 国内法が適用されます。租税条約の規定と国内法の規定が競合する場合, もし国内法の規定の方が有利ならば, それが租税条約に優先して適用されるとする条項 (いわゆる, プリザベーション・クローズ)を定めている租税条約もあります。

したがって, 租税条約と国内法の適用関係は以下の3つに分類できます。
①国内法で課税, 租税条約の定めがない場合・・・国内法が適用されます。
②国内法で課税, 租税条約で減免規定がある場合・・・租税条約が優先されます。
③国内法で非課税, 租税条約で課税の規定がある場合・・・国内法が適用されます。

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