ボランティア団体をNPO法人へ?

NPO法人ってなに?

NPO法人とは、特定非営利活動促進法(NPO法)により法人格を取得した団体で、民間で公益に資するサービスを提供する営利を目的としない団体とされています。ここで気になるのが、「営利を目的としない」という部分。営利を目的としないとは、すべてボランティアで運営しないといけないのでしょうか?

NPO法人の営利を目的としないとは?

ここにいう営利を目的としないとは、お金をもらわず無償で活動するということではありません。NPO法人での営利を目的としないとは、収入から経費を差し引いた利益を株主には分配しないという意味。通常の法人は、利益を株主に分配しますが、NPO法人は利益を株主には分配せず、その利益は更に公益に資するサービスに投資していくこととなります。当然経費には職員の給与やアルバイト代などの人件費も含まれます。

NPO法人の給料についてもっと詳しく。

NPO法人の職員に対しての給与は支払えますが、役員に対しては「役員総数の3分の1しか役員報酬を支給してはいけない」との規定があります。しかしこの場合でも、職員と兼務している役員には職員分の給与は支給できます。

そもそもNPO法人のメリットは?

NPO法人には、利益の分配と役員報酬について制限があります。でもあえてNPO法人を選択するにはそれなりのメリットがあります。
❶ 社会的信用を得やすい
❷ NPO法人名義で契約や登記、銀行口座開設が可能
❸ NPO法人として財産の所有ができる
❹ 指定管理や公共事業の受託の可能性が高くなる
❺ 領収書などの印紙税の減免
❻ 会費や寄付金が確定申告の寄付金控除の対象となる
❼ 補助金などの応募要件に法人格が必要な場合がある

NPO法人の運営コストは?

NPO法人になると、適正な会計処理や情報公開など、法人として法的ルールに従った運営や責任義務を守らないといけません。また収益事業を行った場合には、その収益事業に対し法人税がかかります。
詳しくは→ボランティアと税金の関係
したがって、記帳や事務管理のための費用は必ず発生します。税金については、富山ではいくつかの減免制度があります。

NPO法人に対する支援(富山県)

富山県では減免の申請手続を行えば、NPO法人への税制上の支援措置を受けることができます。

法人県民税 収益事業を行わないNPO法人については、法人県民税均等割の全額を減免
収益事業を行うNPO法人については、設立後3年以内の赤字事業年度における法人県民税均等割の全額を減免 
不動産取得税 設立後3年以内に、不動産を無償で取得した場合の不動産取得税の全額を減免
(※NPO法人の事業に使用される不動産で、登記上の所有がNPO法人名義の場合)
自動車取得税 設立後3年以内に、自動車を無償で取得した場合の自動車取得税の全額を減免
(※NPO法人の事業に使用される自動車で、自動車登録(車検証)の名義がNPO法人の場合)
自動車税 福祉事業のために使用され、一定の要件を満たす自動車について、自動車税を課税免除
(※車いす移動車や施設利用者の送迎専用車など、利用者のために専ら使用する自動車で、自動車登録(車検証)の名義がNPO法人の場合)

NPO法人設立のために必要な書類は?

NPO法人の設立には所轄庁での審査期間が4ヶ月かかります。NPO法人設立認証申請に必要な書類は次の通り。所轄庁に受理されるまで、結構な量を作成することとなります。
❶ 設立認証申請書・・・1部
❷ 定款・・・2部
❸ 役員名簿及び役員のうち報酬を受ける者の名簿・・・2部
❹ 各役員の就任承諾書及び宣誓書の写し(謄本)・・・1部
❺ 役員の住所及び居所を証明する書面・・・1部
❻ 社員のうち10人以上の者の名簿・・・1部
❼ 確認書・・・1部
❽ 設立趣旨書・・・2部
❾ 設立について意思の決定を証する議事録の写し(謄本)・・・1部
❿ 設立当初の事業年度及び翌事業年度の事業計画書(2年度分)・・・各2部
⓫ 設立当初の事業年度及び翌事業年度の活動予算書(2年度分)・・・各2部
富山県と市町村の電子申請・行政情報窓口ではこちらで必要書類をダウンロードできます。

設立後に必要な登記手続き

設立申請書類が所轄庁に受理されると、約4ヶ月の認証期間を経て問題が無ければ、都道府県知事又は内閣総理大臣から設立認証書が交付されます。
そして、認証書交付日後2週間以内に主たる事務所の所在地を管轄する法務局に設立登記申請を行わなければなりません。

設立登記申請書 設立登記をするための申請書
設立認証書 NPO法人の設立認証書のコピーに原本証明
定款 定款に原本証明
理事の就任承諾書及び宣誓書の写し 設立認証申請に使用したものでOK。原本証明します。
設立時の財産目録 法人設立日(設立登記申請日)時点の財産目録に原本証明
設立総会議事録又は理事会議事録等 定款で事務所の所在地を最小行政区画までにとどめている場合
委任状 代表者以外の代理人が申請する場合には必要
登記用紙 OCR用申請用紙又は登記用紙と同一の用紙
印鑑届出書と代表者の印鑑証明書 法人印届書・代表者個人の印鑑・実印の押印

原本証明って何?

原本証明とは、コピーの空白部分に

この写しは原本と相違ありません。
平成27年2月18日
特定非営利活動法人 富山にゃんこ協会
理事 猫田太郎  代表印

というように記載し法人印を押印することで、「原本と間違いありません」ということを代表者(理事など)の名で証明します。
設立認証書・定款・理事の就任承諾書・設立時の財産目録は原本証明が必要。なお、登記申請の際にはコピーのほか原本も持参し内容を確認します。

給与や報酬の支払いがある場合の届出書類

NPO法人設立後、都道府県税事務所と市町村役場に❶•法人設立届出書❷登記簿謄本❸定款を提出しますが、給与や報酬の支払いがある場合には、役所に以下の届出が必要になります。

税務署 給与支払事務所等の開設届出書
源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書
労働基準監督署 適用事業報告
労働保険保険関係成立届
公共職業安定所 雇用保険適用事業所設置届
雇用保険被保険者資格取得届など
社会保険事務所 新規適用届
新規適用事業所現況書
被保険者資格取得届など 

収益事業を行う場合の届出

収益事業を行う場合には、追加で税務署に以下の書類の提出が必要です。当然納税義務がありますので法人税の申告書の作成が必要となります。
❶ 法人設立届出書又は収益事業開始届出書
青色申告の承認申請書
❸ 棚卸資産の評価方法の届出書
❹ 減価償却の償却方法の届出書
❺ 消費税課税事業者選択届出書など

NPO法人の設立後に果たすべき義務

NPO法人はNPO法に基づいた法人運営や書類提出が義務付けられます。また、法人の運営や活動について情報公開しなければなりません。
毎年必要なこととしては、
❶ 事業年度終了後3ヶ月以内に事業報告書を所轄庁に提出する
❷ 総会を年1回以上開催するなど正会員に活動報告を行う
❸ 収益事業以外は原則非課税、税制上の収益事業については課税
(一部、NPO法人に対して支援制度があります。前述の「NPO法人に対する支援(富山県)」を参考下さい。)

事業報告書など提出書類の作成

所轄庁に提出する事業報告書などは、都道府県知事又は政令指定都市の長を経由して提出することになります。
◇提出書類
・事業報告書等提出書
・事業報告書
・活動計算書
・貸借対照表
・計算書類の注記
・財産目録
・前事業年度の年間役員名簿
・前事業年度末日における社員のうち10人以上の者の名簿
富山県では、こちらのリンクで一式を提供しています。

NPO法人の設立・運営をサポート

任意団体だったボランティア団体をNPO法人に。。メリットもありますが、確実に事務手続きは増えます。より公益性・透明性を追求していくのならば、NPO法人は理想的な「箱」なのですが。。
北澤純税理士事務所では、NPO法人の設立や事務運営などもサポートしています。お気軽にご相談ください。

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